なんか君となら


幸せになれそうな気がしたんだ






僕のカノジョになりませんか






「?」

コンビニの帰り、公園の中を通っていたら
声をかけられた。

「あ、水戸君だ」

「よぉ、何してんの?」

ベンチに座ってタバコを吸うその姿はヤンキーなんだけど
水戸君ほどやさしいヤンキーはいないと思う。

「今コンビニ行ってた。水戸君は何してんの?」

「オレ?オレはそのコンビニの店員で今休憩」

と、の持っていたコンビニの袋を指差した。

「そうなんだ?何時台にいるの?今度遊びに行くよ」

そういって、は水戸の隣に腰掛ける。
そしてごそごそとコンビニの袋を漁りコーヒーを差し出す。

「はい、あげる。微糖だけどいい?」

「平気だけど。いいの?」

「うん。いいよーもう1個買ったから」

「オレね、8時台にいるから今度おごるよ」

「ほんと?やったね」

と、は袋からカフェラテを取り出してストローを刺す。

「でも明日から3日間は朝からいるよ」

ニカ、っと笑って水戸は持っていたタバコを地面に押し付ける。
そしてに貰ったコーヒーを開けた。

「え?明日って学校でしょ?」

飲んでいたカフェラテから口を離し、訝しげに聞き返した。

「謹慎くらったからねー」

あはは、と笑って水戸はコーヒーを一口飲んだ。
は、ああ!と思い出したように相槌を打つ。

「それ晴子ちゃんから聞いたよ。大変だったね」

「まぁ大変っつーかね」

「桜木君のコトかばったんだよね。水戸君は桜木君のこと好きだねぇ」

「あはは。やめてよ気持ち悪ィ」

「でもアレだね。水戸君の彼女になる人は羨ましいな」

「そう?」

「そうだよ。今度のこと聞いて思ったもん」

「…なんで?」

「なんか、全力で守ってもらえそう…な気がした」


水戸君かっこいいしー?
と、笑いながらはカフェラテを飲んだ。


「へぇ、じゃあなってみる?」

「え?」

「カノジョ」

「…へ?」

「守ってあげるよ?」

「ええぇぇええ!!?ちょ、水戸君何言って…!」

「羨ましいって言ったろ?」

「いや、言ったけど…彼女をこんな簡単に決めていい、の?」

しかも私なんかを!!

「だってオレのこと好きだし」

「……ええええええ!!!!?う・嘘ぉ!?」

「ホントホント」

終始笑顔の水戸と目の前がグルグルな。

「どーする?」

「……わ、私で、いいんですか」

「もちろん」

がばっ、向かい合ってたその状態のままいきなり抱きしめられた
水戸の体温が頬にあたる。心臓が痛いくらい鳴っている。

「とりあえず、名残惜しいけど今から仕事だから行くけど」

ふっ、と身体を離すと引っ付いてた頬がひんやりした。
その代わり、気づけば手が繋がれていた。

「今日、電話していいですか」

じっ、と目線がぶつかる。
恥ずかしくってドキドキするけど逸らせる訳もなくて


「はい。待ってます」



にっこり笑って、手を振った。

さて、夜までにはドキドキを落ち着かせて


私も、好きだよって言わなくちゃ。








end
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ひそかに好き。水戸洋平。
めっちゃ男前だと思います。顔も中身も。