「!!!!!」


「なんだ」




目の前には、アホみたいなプレゼントの山。



「ななななな、何これ!?」

「しらん」

メリークリスマスと書かれたカードと半分はバースディカード
楓の誕生日はお正月まっただ中なので
クリスマスと一緒に渡そうという魂胆なのか。

「・・・はー・・・すっごー」

「関心すんな」

「だってさー・・・あ、楓Tシャツあるよ」

「いらん」

「えー、マグカップは?」

「いらん」

「もー贅沢!」

がさごそと楓に変わってプレゼントを漁る私。

楓はそれをベッドからじーっと見ているだけ。

「おめーは」

「ん?」

「はくれねーの」

「・・・なに?」

「わかってんだろ」

「ほんと、贅沢だなぁ楓は」

すすす、とベッドまで寄っていって目の前にぽん、とプレゼントを置いた。

「はい、メリークリスマス」

「おー」

Tシャツとトレーナーとタオルの三点セット。

なかなか重宝すると思うんだよね。

「さんきゅ」

「どーいたしまして」

にこ、と笑って楓を見る。

そして持ってきたケーキの存在を思いだし立ち上がろうとした瞬間。

「わぁ!?」

目の前が真っ暗になった。

「え!何!!?」

どうやら何か被されたようだ。

急いでそれを脱いで確認してみる。

それは

「わー帽子だ」

被されたそれは、ニットのぽんぽんの付いた白い帽子。

耳まですっぽり隠れる温かそうな帽子だった。

「えー何?!どしたのこれ?」

「プレゼント」

「マジで!?」

「チャリ乗るとき、耳が冷たくなってやだっつってただろーが」

「ああ・・・!憶えててくれたんだ」

「おー」

「ありがとう!やーんかわいい!」

「どーいたしまして」


いそいそとまた帽子を被りなおして、鏡の前に立ち上がる。

楓がそんなあたしを見て小さく笑うのが見えた。


「なに笑ってるのよ」

「・・・ガキ」

「!!」



君が笑ってくれるなら、なんでもあげるよ。



(君だけのサンタクロースより)





Happy Merry Christmas!!