「まだ?まだ?」 「もう栄治うるさい!静かに待っててよ!」 そわそわと落ち着かない。 カーテン一枚隔たれた向こう側のが気になって仕方がない。 デジカメ片手に、いつでも準備は万端なのに。 「ちょ、まだ!?」 「もう!うるさいってば!」 カーテンを少し乱暴に開けた 出てきたの格好に、思わず立ち上がる。 「・・・ちょ、栄治どうしたの?」 立ち上がったまま固まった俺を見て、 がびっくりしたような顔でこちらに寄ってきた。 「・・・きれい」 「は?」 「ちょ、無理・・・」 「ちょっと!栄治!?何泣いてんの!!」 髪をあげて、きらきらした髪飾り。 真っ白なお姫様のようなドレスを着た。 化粧もいつもと違くて もう綺麗すぎて何も言えない。 「栄治?ちょっと泣きすぎでしょ?」 「だっ・・・って・・・もー・・・やばい」 「やばいって・・・まだこれ試着1着目だよ?」 「だめだ。直視できねぇ」 「・・・せっかく着たんだから見てよ・・・」 「あと5分待って!!」 結婚式は半年後。 今日はドレスの試着の日。 旦那様の栄治はいきなり大泣き。 本番は、一体どうなることでしょう。 (やばいって!白無垢可愛すぎる!!)(栄治ホントに本番大丈夫なの!?) 。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。 |