僕の知らない、彼女の姿。 隣の彼女 02 「やっべもうぜってー遅刻!!」 学ランのボタンは全開で、玄関に用意してあったバッグを引ったくって ダッシュで学校へ向かう。 (遅刻したらまた河田先輩にどつかれる・・・!) (つうか絶対のせいだ・・・!) 昨日の夜、ベッドに入りもう寝るだけという状態の時に から電話が着た。 『あー栄治ー?』 『おー、どーした?』 『今日れっどかーぺっと見た?』 『お笑いの?』 『そうそう!』 『見たけど』 『マジ!?ちょ、誰出た?』 『いちいち憶えてねぇって』 『思い出してよ!!超気になる!!』 とか言い出して、誰が出たかとかどんなネタしたのかとか 深夜に渡り電話は続いた。 「・・・で、寝過ごしたって?」 「・・・はい」 「んな言い訳が通ると思ってんのか沢北ぁぁあああ!!!!」 「ギャー!!」 結局、朝練に遅刻して 河田先輩に技掛けられて 深津先輩にチクチク叱られて イチノさんに白い目で見られた(ちょっとこれ納得いかねぇし・・・!) 「・・・今日なんかすでに散々だ・・・」 練習が終わり教室へ行く。 少し離れた席のは俺から仕入れたれっどかーぺっとの話を友達としていた。 なんか腹が立って、文句のひとつもしくは、ジュースの1本でも奢らせようと を呼んだ。 「!」 「・・・あ、栄治だ。おはよう」 「おはようじゃねーよ!おめーのせいで今日ばっちり遅刻したじゃねーか!」 「はぁー!?あたしのせいなのそれ!?」 「が夜中に電話かけてくんのがわりぃ!」 「自分で朝起きられないのが悪いんでしょー!?」 ぎゃあぎゃあと言い合っていると、後ろから日誌で頭を軽く打たれた。 「って!」 「お前ら始業ベル聞こえなかったか?」 殴ったのは先生で、なぜか殴られたのは俺だけだった。 不公平・・・! とりあえずしぶしぶと、席に着いた。 ほんと可愛くない女。 俺の周りに居る子はみんな優しくて可愛いのに。 なんて、思ってたら 後ろの席のやつに呼ばれた。 「・・・ん?」 「沢北、お前なんでと仲いいの?」 「は??あいつとは家隣でちっさい時から遊んでたから・・・」 「へーうらやましい」 ぼそりと呟いたその言葉に耳を疑う。 うらやましい? 「何が?」 「と、仲いいのがだよ」 「・・・なんで」 「お前しらねぇの?人気あるの」 「はぁ!??」 結構本気で驚いて、思わず声をあげてしまった。 先生にばっちり睨まれた。 が、こそこそとまた話を始める。 「ちょ、今の話マジ?」 「マジマジ。密かにモテてんだぜあいつ」 今日一番の衝撃的事実。 がモテる? なんて考えながらも授業は進む。 でも内容はあんまり聞こえてこなくて 気づけば、ちらちらとの方ばかり見ていた。 すると 「!!」 ばっちり、目が合ってしまった。 どんなリアクションを取ろうか迷っていると は、べーっと舌を出して前を向いてしまった。 ・・・ほんとにモテんのか?あいつが。 と、思っているところに携帯がブーブーと動く。 周りにばれないように、そっと携帯を見た。 メールの送信者はだった。 ”キョロキョロしてたら、また怒られちゃうよ(`∀´)ププ“ がばっ!とまたの方を見る。 案の定、こっちを向いてクスクスと笑っていた。 ついさっきまで、そんなを見てまた怒りがこみ上げるところだが・・・ そのとき、自分の目を疑った。 その、笑いながらこっちを見てるが 可愛く見えてしまったからだ。 ごしごしと目をこすって、じっとの方を見る。 そんな俺をは変だと思ったのか またメールが着た。 ”栄治、眉間にしわ寄せたり、目こすったりして なんかおじいちゃんみたいだよ?(あ、老眼みたいってことね)“ ・・・前言撤回。やっぱりかわいくねぇ。 (つうか老眼みたいってそんな説明いらねぇし!) (沢北、授業中にメールするなんて余裕だな?)(!! また俺だけ!!!) 。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。 → |