いつだっていつだって 可愛いと思われたいのです。 君のその一言で。 土曜日の朝。 毎朝自分の起こしに来るが、今日は何故か来なくて いつも起こしに来るその時間にメールが着ていた。 が メール一つで目を覚ますわけもなく ぼんやり目覚めたその時間はもう10時を回っていた。 頭をがしがし掻きながら、着ていたメールをじっと読み返す。 "今日、起こしに行けない!ごめん!" 今まで、起こしに来ない時は連絡が着たし ケンカした次の日はいつも起こしに来ないけど 昨日は特にケンカをした覚えはない。 「・・・?」 ひとまずベッドから出て、流川は着替える。 そしてケータイを握りしめて、 隣の彼女の家へ出かけた。 「、楓くんよ」 の家に行ったら おばさんが普通に部屋まで通してくれた。 体調が悪いわけではないらしい。 が の部屋から返ってきた言葉は 「か、楓!?何しに来たの!!?」 「・・・・・・・・・」 「こら!何言ってんの!」 「ぜ、絶対入ってこないでよ!?」 「ふざけんな」 「楓くん、良いわよ。好きにおやんなさい」 「!!?おかーさん楓の味方すんの!?」 の母はそのまま笑いながら階段を下りて行った。 流川はガチャガチャと部屋のドアノブをひねってから 無理矢理にドアをこじ開けた。 「ぎゃーーー!!!」 「うるせぇ」 部屋を見ると、はベッドの上で頭から布団をかぶっていて ドアに背を向けてチラチラとこっちを見ていた。 「・・・なにやってんだオメー」 「な、何って別に何も・・・」 「どっかわりーんか」 「え?いや・・・普通・・・」 「じゃあさっきのなんだアレ」 「・・・さっき・・・って」 「部屋に・・・入るなって・・・」 「あ・・・あれは・・・あたしにだって色々・・・」 「色々ってなんだ」 「だから色々は色々だってば」 さっきから少しも進展しない話 それとのこの釈然としない態度と 背を向けたままの体制が気に入らない。 イライラは増すばかり。 「つうか、なんだそのカッコ」 「え!?や、放っといて!」 「いいから布団から出ろ」 「なんでよ!?」 「いーから」 「やだ!」 「・・・聞こえねー」 強行突破。 がかぶっていた布団を掴んで勢いよく剥がした。 布団を剥がされたの大きな悲鳴が響き渡る。 「いやー!ばかー!」 は普通私服でやたらを頭を隠す。 見たところ、変な所は何もない。 流川は不思議に思ってベッドに自分も座りの顔を見た。 「見ないで・・・」 「?」 まじまじと見てみて、気付いたことがひとつ。 「あ・・・」 「!」 「前髪・・・」 「いやあぁぁー!見ないで!」 昨日と違う所。 前髪がまっすぐに切り揃えられていて 心なしか、幼く見える。 しかし・・・ 「おい、何がそんなに嫌なんだ」 「だ・・・だって・・・」 「?」 「だってこの前髪小学校の時と一緒なんだもん!!」 「は?」 「自分が切ったんだけど!小学校の時の自分と同じなの!」 「だから・・・?」 「恥ずかしいのよおぉぉーーー!!!」 と、は頭を抱えてその場にうずくまってしまった。 流川はというと、そんなの気持ちがちっともわからなくて とりあえず、の頭を撫でた。 「・・・楓・・」 「わかんねぇけど」 「へ?」 「俺は、懐かしいと思ったけど・・・」 「懐かしい・・・?」 こくり、の問いかけに無言でうなずく。 はゆっくり顔上げて、自分の前髪を撫でる。 それに重ねるようにして、流川もの前髪を撫でた。 「変じゃ、ない?」 「つうか・・・その前髪のも見たことあるし」 「・・・そっか」 「・・・どあほう」 は、小さく笑ってこちらを見上げる。 とりあえず何も起こらずにひと安心の流川。 「・・・あ、今日・・・朝」 「寝坊した」 「あはは、やっぱり?」 「練習付き合え」 「えっ・・・ちょっとまだ外に出るのは勇気が・・・」 「まだ言ってんのか」 「・・・楓が可愛いって言ってくれたら行く」 「は?」 (ねー言ってよー)(ぜってー無理)(無理ってひど!) (心ン中ではずっと言ってるけど)(!!不意打ち!) 。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。 |