たぶん無意識。 相手は君じゃなきゃ。 君と手を繋いだら 放課後。 自転車が故障中の楓は歩いてご帰宅。 なもんで、部活終わるのを待って久しぶりに並んで帰る。 「楓がも少し注意して乗ればこんなしょっちゅう壊れないと思うよ?」 「…なにが」 「わかってんでしょ。自転車」 「おー」 …自転車壊したの何回目だよ… 空を見上げればもう薄暗くて、ぼんやりと月が見える。 ふと前を見ると、手を繋いだカップルが一組。 「楓」 「ああ?」 「手、繋ぎたい」 「いやだ」 「なんで」 「いやだから」 「!!! 幼馴染に対して何その暴言!!」 「……」 「繋いでみたいんだよーまだ誰ともそんな青春みたいなのしたことないし」 「で、オレか」 「…んー…楓がいいなぁ」 (…言ってるコト、わかってんのか?) 「じゃあわかった、あの電柱まで繋いで?」 「(…何がわかったんだ)…いーけど」 「ほんと?!やったー!」 ぎゅ、は楓の手を握る。 自分とは違う大きくて、あったかい手 「…楓、手でかいね」 「…おめーがちっせーんだろ」 「なんか…恥ずかしくなってきた」 「おめーが言い出したんだからな。放すなよ」 だんだん体温が上がっていく 冷たいと思ってた自分の手がどんどん熱くなる。 きっと、楓も気づいてる。 (ど、どうしよう…汗かきそう…恥ずかしい…!) 繋いだ手に戸惑っているのは流川も一緒だった。 隣の幼馴染の手が小さくて驚く。 ついこの間までは大体のパーツは同じだと思っていたのに。 好き、だという気持ちに気づいたのはつい最近で 元々伝えることも気持ちを抑えることも苦手なことはわかっていて 正直、いますぐ引き寄せてしまいたい気持ちがどんどんでかくなっていった。 「ねぇ楓」 「……」 呼ばれて、返事こそしなかったがのほうを向く。 「なんか、恋人同士みたい…だね?」 スイッチ 入った 元々抑えが効く性格じゃねーんだ 小さくて細い隣の幼馴染。 ぐい、とさほどチカラは入れなかったけど 引き寄せたら簡単に腕に収まった。 「え・かっ、楓!!!?」 抱きしめた胸の中で椿が混乱しジタバタと動く 「」 「え?えぇ?」 「…」 「………は・はい…?」 「好きだ」 生まれて初めて使う言葉。 最初に使うときはお前に言うって決めてた。 そのあと顔を真っ赤にして君が言った言葉。 「私も、好き」 手を繋ぐのは 好き って 合図 end 。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。 幼馴染シリーズとは別の幼馴染話。 でもシリーズのほうでも似たような話を書くと思います… |