気づかされた夏の日の午後。 ハートに火をつけて 「あーあっつい!」 バサバサとスカートをめくって風を起こす。 そんなあたしに三井が日誌のカドで一喝。 「いった!ちょっ、何すんの!」 「お前ちったぁ恥じらいを持て!」 「だって三井には見えないじゃん!」 「み・見えるとか見えねぇとかの話じゃねーんだよ!」 放課後の教室。 日が落ちてもまだ暑いもんは暑い。 日直のあたしと三井。 前回はあたしが日誌を書いたから今回は三井に書いてもらっている最中。 三井はめんどくさそうにペンを走らせる。 …ってなると実際こっちはヒマなんだよね。 「…お前なぁ、人が一生懸命してんのに何飲んでんだよ」 「えー?昼間の残り。ぬるいんだけどノド乾いてさ」 と、サイダーのペットボトルを机に置く。 残りはあと半分。 「さー三井くん。ちゃっちゃと済ましちゃってー」 「…っとムカツク女だな」 「えー?そう?普通なのに」 「それよこせ!」 「あーーー!あたしの!」 半分残ってたサイダーはさらにその半分に減ってしまった。 「うえ、ぬるっ!炭酸抜けてるし」 「ちょっと人の飲みかけをうえって…」 「とっとと飲みきっちまえよ」 「んー…」 ボトルを掴んで、そのまま手が止まる。 …あれ 今、 これ 飲んだら 間 接 キ ス ? 思った瞬間に 心臓の奥の方が痛くなった。 え? 「ええええええ!!!?」 「うわ、なんだ急に!」 「えっ、いや…えー!?ちょっと待って!」 「は!?何どうした!」 え、あたしおかしい! こんなこと考えること自体おかしい! え?なんで? 回し飲みなんか、普通に出来るのに! え!? 「?」 あたしもしかして 「だいじょーぶかお前?」 あたしの顔を覗き込む三井。 ドキドキする さっきまでスカートとか平気で捲ってたのに もう目も合わせられない 「…好きなのかも」 「…なにが」 さっきからさっぱり意味のわからない三井。 さっきからがっつり気づいてしまった自分の知らなかった気持ち。 「三井のせいだよ!三井が悪い!」 「またわっけわかんねぇこと言いやがって!」 「もーやだぁー!明日からどうすりゃいいの!!?」 「何が!もうさっきから何がって何回言わすんだよ!?」 「2回しか言ってないじゃん!」 「数えてんじゃねぇよ!」 「もぉー三井があたしのサイダー飲むから…」 「…はぁ?お前そんなんでキレてんの?」 「別に怒ってないもん」 「じゃあなんだよ」 「責任とって全部飲んで!」 「…はぁ?」 「これ飲んだら、責任とるってコトだからね?」 「ちっともわかんねぇけど、これ飲んだらいいんだな?」 「…うん」 しぶしぶ三井がペットボトルのキャップを開ける。 ぬるい透明の液体がチャプチャプとゆれる。 コレを三井が飲み干したら言ってやる。 (あたし、三井のこと好きだったみたい) 。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。 名前変換なさすぎですね… |