呼吸の仕方さえも忘れてしまいそうになる。






恋する7days 04






海に行った昨日。
ケンカ?してあの後3人で海に入って
実理ちゃん砂浜に転がして
騒いで帰りに寄ったファミレスまでずっと笑っていた。
さすがにその日はあたしも烈も帰るなり寝てしまい


今日は昨日遊んだ分を取り返すというお勉強日に決まりました。


「英語得意やろ?」

「へ!?得意…というか…英語なら平均いけるかなーレベルやけど…」

「英語教えてくれへん?」

「え!ああああたしが分かる範囲やったらなんぼでも!!」

「本間?ならが分からんとこ教えるわ」

「ええの!?やった!」

「ほんなら今日は助け合いっちゅーことで」



烈の部屋でしようと言う話になったので、いるものをそろえる。
と、言ってもそんなにもってきてないんやけど。


「烈?入るで?」


ノックを2回して声をかける。
中から「ええよ」と返事がしたのでドアを開けた。

「お邪魔しまーす」

「何がやねん。こないだも普通に入ったやんけ」

「そやけど…こないだは実理ちゃんがうるさくて…」

「まぁな。本間アイツ黙ってるときないからな」

少し笑い合って、烈の向かい側に道具を置いて座った。
烈も参考書をパラパラと捲りだし、とん、と机に置いた。


「ほんなら始めよか」

「うん。がんばろかー」


パラパラと紙を捲る音とカリカリと書く音。
たまにわからない箇所をお互い質問して答えて
また2人とも黙々とノートに目を落とす。

はそんなに勉強は好きではないけれど。

(…むしろキライだけど…なんか…)

チラ、と目線だけあげて向かい側に座る烈を見た。
真剣に目で文章を追って、考えて、ノートにペンを走らせる。

(あんな真剣に勉強されたらこっちもやらなきゃって思うわなぁ)

充電終了。
も目線を参考書に戻し、カリカリと問題を進める。
2人とも驚くほど集中していて


10時過ぎに始めた勉強会、気が付けば2時を過ぎていた。




「…、時計見てみ。もう2時やで?」

「え、あ、ホンマや!早!」

「気付かんかったわ、腹も減るはずや」

「あ、そーや昼ご飯まだやった!すぐ準備する!」

「なんかデリバリーでも頼めばええやん」

「えー、トマトソースいっぱいあんねん。パスタ嫌い?」

「…好きやけど…悪いやんか、なんか」

「悪いって何がやねん。全然ええよ?すぐ持ってくるから待っててな」


烈の部屋を出てキッチンへ向かう。
あたしが食べたくて作っておいたトマトソースを冷蔵庫から取り出して
レンジで加熱。その間にパスタの麺を湯がいた。

「、なんか手伝おか」

「ありがとう。えーと、じゃあお皿持ってきててくれる?」

お皿を並べて、茹で上がって湯切りしたパスタを盛ってソースをかける。
あっという間に出来たパスタを見て烈が関心してコチラを見る。

「…お前すごいな」

「えー?麺茹でてソースかけただけやで?」

「いやこの1週間お前おらんかったら外食ばっかやったわ」

「…お店行った方が美味しいモン食べれたかもな?」

「オレはこっちのほうがええわ」

そう、笑っていった烈がカッコ良すぎて何も言えなくなった。

なんや今の!殺人的!!



「…は、」

「…ん?」

「大学どこ受けるん?」

「地元の短大。四大は行けへんもん。烈は薬学部受けるんやろ?」

「あー…ああまぁな」

「ちょっと意外やってんけどな」

「なにが」

「…烈はバスケで大学行くと思てた」

「…あーでもあれも難しいねんで?」

「そうなん?烈バスケ上手いやんか」

「…そうか?…まぁ、オレは店接ぐて決めてたからな」

「決めたんや。えらいなぁ…」

「動機や不純やねんで?」

「…不純?」

「子供の時にな、ケガした子にバンソーコあげてん」

「…うん」

「したらその子が、さすがお薬屋さんやな!って笑うねん」

「………」

「そん時、薬局やってもええなって思うたんや。不純やろ?」

「……その子のコト…好きやったんや?」

「まぁな、言った本人はすっかり忘れてんやろけどな」



昔のことだと何度言い聞かせても聞いてくれない頭。
静かに、少し、気分が落ちていくのが分かる。

小さい時、ちょうどあたしとも一緒に遊んでいた時
烈には思っている子がいたなんて全然知らなかったし
なんか、無性に悲しくなって

その子の話をしてるときの烈の顔が悔しいくらいカッコよくて
私の話をするときにも、そんな表情を見せてほしいだなんて




(…調子に乗ってんなぁ…)




ガシガシと頭を掻く。
ちょっと一緒にいて一緒に過ごしたからって
何か勘違いをしてたのかもしれない。


なんて、マイナス思考がぐるぐると回っている頭の中。
無意識に昼ご飯の洗い物を済ます。
トイレに行こうとリビングを出たその時に





“ピンポーン”






南家のチャイムが鳴る。







「あ、烈あたし出るわ」

「おー悪いな」




パタパタと玄関に向かい、どちら様ですかと声をかけてドアを開ける。





ドアの向こう側に居たのは






「……え、…あれ、あの、南先輩のお家です、よね?」






可愛いと噂される1つ下の女の子だった。

























心臓がツキンと痛んだ木曜日の午後。





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