神様、緊急事態です。 降っても 晴れても とんでもないことを言い出した南。 目の前がグラグラする。 南の顔は逆光でよくわからんけど 今、南の顔をまともに見たらきっと逃げ出してたに違いない。 「」 ふいに、名前を呼ばれて身体が跳ねる。 身体も、心も全部が反応する。 顔が熱い、身体も熱い。 とりあえず、呼ばれたので返事をする。 「な、なに・・・」 「なんか言えや」 「な、何を!?」 「・・・何を、って・・・」 南が黙った。 わかってる、あたしの返事の仕方が悪い。 せやけど・・・ 「・・・み、なみ」 「なんや」 「あの、さっきの・・・は」 「おう」 「・・・冗談や、なくて?」 「・・・はぁ?」 「だ、だって!この間・・・」 「・・・まぁ、がそう思うんは当然やねんけど」 あたしおととい振られたんやで? それを・・・! 一体何がどーしてそーなったん!? そら冗談かもって思うやろ!!!? 「最初、思うたンは」 「・・・うん」 「断った時、が、クラスメイトってことで頼むわって言うたやろ」 「・・・言うた・・・」(結局意識して喋れんかったけど) 「でも、全然喋らへんし」 「・・・う・・・しゃーないやんか」 「オレもそう思たんや。仕方ないって」 「・・・・・・ごめん」 「けど、なんかお前と喋れへんのつまらんくて」 「・・・え?」 「お前と喋ってんの、楽しかってん」 「・・・ほ、ほんと?」 「前な、ちょっと付き合った奴とええ別れ方出来へんくて」 「・・・・・・」 「付き合うのとか、なんや面倒くさいって思うてて」 「・・・・・・」 「・・・せやけど、お前と喋れなくなるのも嫌で」 「・・・・・・南・・・」 「岸本が、」 「え・・・え?岸本?え、アイツなんか言うてた!?」 「なんでいきなりそんな焦んねん」 「え、や・・・だって・・・」 (岸本には南のコト好き好き言いまくってたし・・・まさか・・・) 「『がお前のこと好きかなんてな オレが毎日どんだけ聞かされてると思てんねん!?』て言われてな」 「な、なな、なんでそれを南に言うねんアイツは?!!」 (岸本!!裏切り罪で殺す!!) 「はは、その顔めっちゃウケる」 「だ、だって!!」 「でもそれ聞いて、オレもちゃんとしよう思うたんや」 「・・・へ?」 ちゃんと、って・・・? 南が、ゆっくりと近づいてくる。 気づけばもう目の前で 見上げないと、南の顔が見えへんし。 恥ずかしくて顔が上げれないでいると 目の前に広がる白いシャツが眩しい。 さらに下を向くと 南の手が、 あたしの手を 手、というか 指を 絡ませた。 「!! み、みみみみなみ!ゆび!!」 「・・・やっと、こっち見たな」 「!!」 びっくりして、顔をあげたら 南とばっちり目が合って微笑まれた。 なにこれ なにこれ なにこれ 南はあたしのこと殺す気や・・・! 「」 「え・・・?」 「あんな、俺、が好きなやねん」 なんかどっかで聞いたようなセリフ ぐるぐると南の言葉が頭を回って検索する。 そして 気づいて、さらに熱くなる。 「南」 「あんな、あたし南が好きやねん」 「この・・・っ」 「なんや」 「ま、真似せんといて!」 「おお、気づいたか?」 「あたしは・・・返事は真似せぇへんで」 「望むところや」 (なぁ、あたしずっと思うてたんやけど、岸本のコト好きやろ?) (あ、あたしもそれ思うてた) (は、はあぁぁぁ!?ちょリコちゃんもみっちゃんも何言い出すねん!?) 。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。 → |