素早く気持ちの切り替えられる。



そんな機能あたしにはついてません。






降 っ て も 晴 れ て も






昨日は、帰り道に岸本に散々泣き言を喚いて

家に着いたと同時に岸本との電話は切ったけど

そしたらなんかりぃちゃんとみっちゃんから同時くらいにメールが着た。

どうやら岸本→りぃちゃん→みっちゃんと連絡が行ったらしい。

嬉しくなって、少し笑った。

携帯では3人同時に話すのができんかったから

明日学校で話そうなってことでメールを終えた。

学校に行くのが明日すごく嫌やったけど、ちょっと楽になった。


(クラスメイト・・・はとりあえず挨拶はするよなぁ)


振られたからといって、いきなり隣の席が南でなくなるわけやない。

隣の席で避けるのもなんだし。


「はぁ・・・」


ちょっと前までは、学校に行きたくて行きたくて仕方なかったのに。


大きく息を吐いて、枕につっぷして布団を被り

何も考えられないように真っ暗にして、そのまま眠りについた。
































***





























「はぁ、間に合うた・・・」

「あ、来た!遅いわー」


久し振りにこんなダッシュしたっつーくらい走った。

別に遅く来ようと思って遅く来たわけやない。

普通に、寝坊しただけ。


「あーやばかった。久々ホンマ遅刻かと思た」

「まぁギリギリやから遅刻と変わらんけどな」

「いやいや先生来てないやん」


「はい、席つけー」


とかなんとか言ってたら先生が教室に入ってきた。

大慌てで自分の席に座る。

そして、昨日さんざん悩んだこの朝のシチュエーションになった。


(え・・・っと、いつもどーいうタイミングで挨拶してたっけ?)


不自然なくらい、首が教卓の方を向いている。

いつもどうやって南に挨拶してたのか思い出せない。

なんかいつ、どのタイミングで言っても不自然なような気がする。

でもこのまま黙りこくってるのもないと思うし・・・


タイミングを見計らって、南に「おはよう」と一言

今言うぞと待ち構えてた時


「で、今から席替えをするぞー」

「へ!?」


まさかの席替え。

文句を言うものもいれば、待ってましたと喜ぶものも。

そうや、今日でちょうど南と席が隣になって1ヵ月経ったんや。


何人かが反対しても、行われるものは行われるもので

いつの間にか出来ていたくじを引く。



「じゃあ、黒板の数字と自分の持ってる数字と同じ場所に移動しとけよ」


そう言って、先生は出て行った。

授業が始まるまでに、移動しとけよ。ということだろう。

じゃあせめて放課後にしろよ!!と思わずにはいられへん。


「・・・み、なみ」


南の席がどこなのか気になって

挨拶とかすっとばして、呼んでしまった。


「ん?」

「席、どこやった?」

「俺か?そこ、2列目の前から3番目」

「・・・そっか」

「は?」

「あたし、は・・・1列目の1番後ろ」

「ええ席やんか」

「・・ん」


「おー南。おれ席そこやねんけど」

「あぁ、すまん。すぐ行くわ」


じゃあな、とあたしに声をかけて南は机ごと行ってしまった。

あたしもずるずると机を引きずって移動する。




(あかん・・・)


(なんや、泣きそう・・・)




南が隣の席でどうしようって昨日までは思うてたのに

隣の席が南やなくなったらいきなり悲しくなってしまった。


唯一の接点が、ぶつっと途切れてしまったような気がした。



















(おぉ、なんやお前後ろか!)(げっ、前の席岸本なん!?邪魔やわー)

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