君がいてくれて、よかった。






B'coz I Love You






「!」

公園のベンチに1人ぼんやり座っていると
遠くから呼ばれて、そちらを見る。
ものすごい速さでこちらに向かってくる人物が。


「・・・ふじま・・・早かったね?」

「俺を誰だと思ってんだ」

「そっか、藤真、足ちょー早いもんね」


藤真が来たことには別に驚きはしない。
きっと、来てくれるって思ってたから。


「おい」

「ん?」

「あのメールなんだよ?」

「なにって・・・内容通りだよ」

「だから何がどーなっていきなり"彼氏と別れた"ってなんだよ」

「・・・ごめん」

「別に謝るこたねーけど」

「・・・藤真には色々相談乗ってもらってたのに・・・ほんとごめん」

「・・・マジでびっくりした」


藤真が、ゆっくりと、呟いた。
あたしはそんな藤真を見て少しだけ笑って息を吐いた。

「あのね、ちょっと前から浮気されててね」

「は!?マジで?」

「ずっと、気づかないフリしてたのね」

「・・・なんでそーいう肝心なことは相談しねぇのお前」

「だって・・・絶対藤真怒ると思って」

「そりゃ・・・怒るけど」

「ずっと1人で考えてたんだけど・・・今日、ね」

「・・・・・・・・・」

「今日、別れてって言ってきた」

「そうか」

「いやーなんかすっきりしたっていうか・・・」


笑顔で藤真の方を向いたら、
藤真が真面目な顔してこちらを見ていた。

そして



「頑張ったな」


一言、そう言ってくれた。

あたしのカラ元気の笑顔は一気に固まって
涙が込み上げてくるのがわかる。


「も・・・何そんな・・・」

「偉かったじゃん」

「・・・・・・・・・あたし・・・すごい考えたんだよ」

「うん」

「間違いじゃないかな、とかずっと誤魔化してて」

「うん」

「でも・・・このままじゃダメだって・・・思って・・・ね」


声がだんだん出なくなってきた。
目から涙、鼻から鼻水がいよいよ止まらなくなって
息も荒くなってきた。苦しい。


「好き、だったのにな」


ぽそっ、と呟いた自分もの言葉にますます泣けてきて
ハンカチが顔を覆った。

藤真はずっと黙って話を聞いててくれて
あたしが顔を覆った時に、ぽん、と手を頭に置いて
頭を優しく撫でてくれた。



「なんか藤真・・・今日優しい」

「ばか、俺はいつも優しいだろ」

「そうかなぁ」


あはは、と少し笑った。
藤真も少し笑って、あたしからゆっくりと視線を外した。


「いつも、思ってたよ」

「・・・何、を?」

「にこんなに好かれてて、羨ましいって」

「・・・へ?」

「」

「な、に?」

「鼻水垂れてる」

「!!!?」


あたしを指さして、藤真が大笑い。
つられてあたしも笑ってしまった。

もちろん鼻水はすぐ拭いたけど!


















































「ほんと、何から何までありがとね藤真」

「どーいたしまして」

「よく考えたら藤真いっつもあたしの話聞いてくれてたもんね
 やっぱり藤真って優しいんだ」

「・・・そーでもねぇよ」

「違うの?」

「人によるかな」

「・・・どゆ意味?」

「あーそっか、ニブいんだっけ」

「何いきなり」

「いや、まぁ、憶えとくわ」

「全然わかんない」

「近いうちわかるって」

「ふーん?」

「あ、お前アレやんねぇの?」

「何?」

「失恋したら、髪切るっての」

「えー今もする人いるのかな?」

「切るなら付き合ってやろうか」

「えっ、藤真と髪切るの?」

「並んで切ってもらったら面白くね?」

「・・・美容室行く藤真のが面白いよ」

「・・・お前が床屋来いよ」

「絶 対 嫌 !」

「・・・じゃあこの話はなかったことで」

「・・・そういうことで」


お互い顔を合わせて、盛大に噴出して大笑い。

楽しくって、悲しかったこともどっかにいってしまうほど。


「藤真ーご飯食べにいこ」

「おーいいけど」

「じゃ、素敵レストラン藤真のオゴりで!」

「調子にのんな」
















































(ん?藤真メール着た?)(あーなんか高野が告ってフラれたって)
(えぇ!!マジで!ちょ藤真行かなくていいの!?)(なんで?)
(なんでって・・・!慰めたりとか・・・)(嫌だよめんどくさい)
(あれさっきの優しい藤真はどこに・・?)

。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

少しあとがき。。
なんとなーくイメージはど/り/か/む/さんの
「さんきゅ」って歌の歌詞なんですが・・・なんかちょっと違うけど。
しかし藤真が嘘くさくて困るー;;
読んでくださってありがとうございました!